地盤調査の結果、地盤改良工事が必要となった場合、一体どのような工事で地盤の強度を高めるのでしょうか。ここからは地盤改良で主に行われている（1）表層改良工法（2）柱状改良工法（3）鋼管杭工法の３つの工法を紹介します。

１表層改良工法

表層改良工法は約2mほど土を掘った場所にセメント系固化材を入れ、土と強固剤を混ぜ合わせて地盤を強固にする方法です。工期は1～2日程度で済み、他の2つの工法と比較すると安価となっています。軟弱層と呼ばれる地盤の緩い土地を掘ってセメントを混ぜることで、強固な地盤が作られます。小型の重機でも対応できたり、地中にコンクリートや大きな石が混入したりしてもできる点もメリットです。表層改良工法は勾配が少なく、地下水位が地盤改良面よりも低い土地に適しています。

表層改良工法

ＧＲＲシート工法

当社では表層改良工法とは別な工法でGRRシート工法の施工も承っております。建物基礎の直下にアプローチする点は表層改良工法と同じです。
GRRシート工法は、所定の厚さを有する砕石地業中にジオテキスタイルを敷設することで、砕石地業によ る地表面付近の剛性補強効果とシートによる砕石層の変形拘束効果によって、支持力補強効果を得ることが できる技術です。
特殊な施工設備 を一切必要としないため、狭小地での適用に優れています。

詳しくはGRPシート工法をご覧ください。

GRRシート工法

２柱状改良工法

柱状改良工法はコンクリートの柱を何本も地中に注入して地盤を強固にする改良工法です。この工法は住宅を建築する地盤に直径60cmほどの穴をあけ、そこにコンクリートを注入して建物を支える柱を作ります。一戸建ての場合は強固な支持層まで打たず、２～８ｍほどで済ませる方法が多く、支持層まで打たなくても、地震の際に数十本の柱と土が摩擦を起こすことで、柱の注入された土の部分が一体化し、家の揺れを抑えることができます。強固な地盤がなくても施工できる点がメリットです。

戸建住宅以外にもビルやマンションなど大型の建物で多く用いられる方法で、大きな建物の場合は柱を支持層まで打ち込んで、より強固な地盤を作ります。

柱状改良工法には杭を注入する方法の違いで乾式柱状改良工法と湿式柱状改良工法の2つの工法があります。

乾式柱状改良工法

アースオーガーにより掘り出した土砂にセメント系固化材を混合して埋め戻し、 オーガーの正転逆転を繰り返して、撹拌混合、締固めを行い、柱状の改良体を作ります。

乾式柱状改良工法

湿式柱状改良工法

ミルク状にしたセメント系固化材を地中に注入しながら撹拌翼で掘削、混合を繰り返し、 柱状の改良体を作ります。

湿式柱状改良工法

３鋼管杭工法

鋼管杭工法の基本的な手順は柱状改良工法とほぼ同じですが、唯一異なるのは柱に使うのがコンクリートではなく鋼管であるという点です。しかし、他の工法に比べると施工後の地盤強度が高く、3階建てなどの重量のある建物に適しています。柱状改良工法よりも小さい重機で対応できる点もメリットのひとつで、工期はわずか1～2日程度です。この工法は支持層がなければ施工できません。

鋼管杭工法